旗振り山と正法寺
正法寺は兵庫県神戸市にある臨済 宗南禅寺派の禅宗寺院です
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長田旗振り山の歴史や郷土の歳時記をお伝えします
長田の旗振り山
正法寺は通称〔かわらやま〕とよばれる小高い丘にあり、ここは旗振り山のひとつで嘗て大阪の堂島米市場の米相場(お米の値段)を日々旗振り信号で各地に伝えた中継所でした。旗振り山は神戸市域では正法寺のほか金鳥山、諏訪山、栂尾山、須磨旗振山などが知られています。
正法寺の裏手にはかつて水晶閣という楼閣があり、そこで大正時代にかけて旗振り通信が行われたと伝わっています。通信は主に兵庫区水木通にあった神戸米穀株式取引所からの相場通信を行ったようです。
正法寺の境内には水晶閣のそばにあった瓦屋山と彫られた旗の掲揚塔の基部が移されて残っており、これは水晶閣の位置を表すシンボルであったと考えられています。
主な資料
・柴田昭彦「旗振り山と瓦屋山正法寺-インターネット検索の活用-」
『歴史と神戸』243号(平成16年・神戸史学会)
・柴田昭彦『旗振り山』(2006年・ナカニシヤ出版)
・「旗振り通信ゆかりの石碑」
神戸新聞社編『ひょうご社寺巡礼2』(2012年・神戸新聞総合出版センター)
・「旗振り山と正法寺」
『摂播歴史研究』第41・42合併号(平成17年・摂播歴史研究会)
・「かわらやま物語」―正法寺縁起―
(瓦屋山史跡保存会資料より/琵琶節付 川村旭芳・令和元年初演)
旗振り場の位置
米相場の旗振り通信が行われた楼閣「水晶閣」のあった場所は現在住宅地に変わっており、当時の面影を見いだすことはできない。旗振り通信の研究で知られる柴田昭彦「旗振り山と瓦屋山正法寺 - インターネット検索の活用-」『歴史と神戸』243号(平成16年・神戸史学会)21頁によれば、明治43年測図の2万分の1地形図「神戸」に水晶閣の記載があり、大正12年測図の1万分の1地形図「神戸西部」には水晶閣と正法寺の記載がある。
※下のギャラリー内の昭和28年日本特殊地図協会発行の地図の記載が分かりやすい。